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日本企業を襲う「自分のアタマで考えない」病

日本企業を襲う「自分のアタマで考えない」病

※この記事は日経ビジネスONLINEの転載です。転載元はこちら

マッキンゼー時代には、ソウルオフィスをゼロから立ち上げ、韓国企業、特にLGグループの世界的な躍進を陰で支えてきた赤羽雄二氏。同氏が最近書いた著書『ゼロ秒思考』(ダイヤモンド社)が売れている。なぜ今、思考法なのか。その理由について「マネジメント層の実力低下がヒドイから」と説明し始めた。(聞き手は瀬川明秀)

——-赤羽さんには、これまで日経ビジネスで「なぜ日本の大企業で変革が進まないのか」といったテーマで、何度も取材させて頂きました。マッキンゼー時代は、10年以上にわたり韓国大手財閥の再建に取り組まれ、最近は、国内の大企業の経営改革プロジェクトにも参画されている。我々の頭の中では、“組織再生のプロフェッショナル”というイメージがあったのですが、最近出版された『ゼロ秒思考』では、経営論を離れ、ご自身の経験に基づく思考法について紹介されました。今までの“堅い文章”とは一転、今回は、社会人1年生からでも手に取れそうな優しい本。お手軽な自己啓発書のような印象も残るつくりで、ちょっと驚いています。

赤羽:いえいえ。私の中では完全に一致しています。大企業の経営改革を進めるためには、経営者、経営幹部、部課長の問題把握・解決力が非常に重要です。もっと平たく言えば、「自分の頭で考えて、積極的に発言し、行動すること」です。

でも、問題は、これが全然できていないことなんです。大企業の場合、部長も課長も 皆、上を見て仕事をしています。自分で情報収集をし、考えて発言するというよりは、上から指示された仕事を鵜呑みにしてひたすらその範囲でやり遂げる、ということにほとんど全部のエネルギーを使っています。

計画作成にも膨大な時間を使っていますが、大半が数値合わせ、予算作成と修正・やり直しが中心です。ただ、それをどういうビジョン、戦略で実行するのか、どうやって具体的に現場のアクションに落とし、経営改革を進めるのかについては、ほとんど関心を持って取り組まれていません。経営者がいかに優れていても、現場を動かす部課長が自立的に問題把握をし、問題解決をしていかなければ会社は決してよくなりません。変わっていきません。サラリーマンとしてその場しのぎにやっている点も否めませんが、根本的に「自分の頭で考えて、積極的に発言し、行動する」力が不足していると私は感じました。

「自分の頭で考えない」上司には何種類かいる

——-「自分の頭で考えない」とは
img1日本企業を襲う「自分のアタマで考えない」病
ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング

赤羽:「自分の頭で考えない」には何種類かあります。1つには常に上司から事細かに緊急で指示が下るのでそれに反応するだけで精一杯であり、新たに何か考える余裕がまったくないケースです。その上司ももちろん、その上の上司からの指示で動いています。トップダウン、上意下達という名のもとで、幹部社員1人ひとりがしっかりと考えつつ、自分の責任で何かを提案し会社をよくしていく、という発想を持てなくなっていきます。

自分の頭で考えようにも、期待もされていないし、自主的に動く気力も体力もない、という状況です。これは社長以下、組織の全階層が新しい動きをしなければ、1人でも従来通りの行動を要求する人間が途中にいれば、そこより下は変われないことになってしまいます。社長はその部分の確認をする必要がありますね。

二番目には、組織の壁が強くサイロ状になっていて、商品企画、開発、生産、品質保証などの各部門の責任者が自部門の範囲でしか物を考えなくなるケースです。「今までやったことがなかった」「それは自部門の責任外だからわからない」「そんなこと考えたこともなかった」というセリフが典型的に聞かれます。当然ながら少しは考えながら仕事をしていますが、部門の壁を越えて考えてくれたり、ましてや経営者の視点で考えてくれることは、ほぼありません。

部課長あるいはチームメンバーにいたるまで、どの会社でも多かれ少なかれ上記の問題があり、その呪縛を解くところから経営改革が始まります。「自分の頭で考えていいんだ。考えなくては会社はよくならないんだ」というところですね。社長がどんなに優れていても、役員、部課長の意識・行動改革を徹底し、新たな行動スタイルを奨励し、上から下まで矛盾なく動かしていかなければ、会社の変化は遅々として進みません。

経営改革は部課長1人ひとりの力でどうにもならないところもあるので、若干は同情する点もありますが、これだけ製造大企業の業績、国際競争力が下がっている状況で、1人ひとりの戦闘力を上げないと大変にまずいことになる、というのが『ゼロ秒思考』を出版した一番の動機です。

日本の製造業の業績が急激に悪化した本当の理由

——-経営者には問題はないのにですか?

赤羽:もっと上の方の経営者、経営幹部は問題ないのかというと、例外的に優れた方を除いて相当問題が大きいと思います。今の日本の大企業の経営者、経営幹部は、高度成長期の末期に課長・部長を経験されて昇進された方がほとんどでしょう。その時と今の膠着状況は全く違います。米国が大消費国であり、韓国・中国・台湾・インドなどの技術・生産力がほとんどなかった頃、日本は爆発的な躍進を遂げていました。

本当の意味の経営力も新事業創出力もそれほど必要とされず、ひたすら拡大再生産を繰り返していた時代に20~50代前半を過ごされた方々が、競争状況が劇的に変わった今、急に経営者としてグローバルな視点から会社の舵取りをする立場になり、構造改革・経営改革・新事業創出を強力に推進せざるを得ない立場になり面食らっている、というのが実態ではないかと想像しています。

誰も、そういう気持ちは口にしませんが(間違っても口にしませんが)、そうとしか思えない状況が色々垣間見えます。また、そう考えないと、日本の製造大企業の大半の業績が急降下し、目先は改善されても大きく挽回する目途が未だに見えない、という理由が説明できません。

大企業だけではなく、中堅・中小企業も、ベンチャーも似たような問題を抱えていますし、官僚、政治家も日本を救う道を示せているとは到底言えません。

学生、主婦、多くの仕事につかれている方々、引退後の方々も、多くの悩みを抱え、何かをしようとし、うまくできず、日本や自分の将来への不安を感じ、といって解決策をそれほど真剣に探すこともあまりなく、日々過ぎている、という気がします。アベノミクスがちょっとうまく行っているから、東京オリンピックがあるから安泰、ということは全くありません。世界の中での日本の存在感は急降下していますし、平和・安全保障、国家財政、医療費、介護、食料・エネルギー確保、仕事確保などの点でも大きなリスクを抱えています。

日本人全員が今一度、「自分の頭で考えて、積極的に発言し、行動する」ようになってほしいと思い、『ゼロ秒思考』を出版しました。

ゼロ秒思考とは

——-では、その「ゼロ秒思考」って何ですか?……と聞かれた時に、まずどのように説明していますか。

赤羽:「ゼロ秒思考」とは、頭に浮かぶ悩み、不安なこと、アイデア、こうしようと思うことなどを1件1葉でA4用紙に書き出すことで、悩み・不安が大きく減り、頭がどんどん回転するようになり、究極的には、ほぼ瞬時に問題点を把握し、瞬時に解決策を考え出すことができるようになる、というものです。

これは、仕事でも、プライベートでも、趣味のようなことでも同じく効果的です。

人間の頭は本来非常によく、誰でも「ゼロ秒思考」ができるようにできている、と考えています。それが、トラウマや、パワハラの上司や、不安にとらわれ混乱して、うまく動かなくなっているので、メモをたくさん書いて動くようにしましょう、というものです。

A4用紙を横置きにし、左上にタイトル、右上に日付で、本文を4~6行で各20~30字書きます。それを1分で書きます。最初は1分でそこまで書けませんが、10~20ページ本気で急いで書くとほぼ誰でも書けるようになります。

内容は、何でもよく、頭に浮かぶものをそのまま吐き出す感じです。きれいに書こうとか、まとめようとかせず、浮かぶものをどんどん外部メモリーに移していく感じですね。

多くの方は、いつも何かが気になっておられると思います。あるいは不安に押しつぶされそうになったり、いろいろなことが次々に頭に浮かんで、整理できなくて困っておられるのではないでしょうか。うまく言葉にもならず、もやもやした気持ちのことも多いのではないでしょうか。「ゼロ秒思考」のやり方でメモを書き続けると、そういった時に、瞬時に言葉にして、書き出していくことができるようになります。

しかも、メモ書きを始めて数日、数十ページ書くうちにできるようになりますので、後は結構面白くメモを書き続けることになります。

言いかえると、何かが気になったり、もやもやしたものを躊躇せず、次から次に外に出してしまう、ということです。

頭の中のもやもやは氷山の一角のようなもので、それを素早く言語化する練習を日々繰り返すことになります。やってみると、実に爽快であることに、すぐ気づかれると思います。最初は文字で書きますが、慣れてくると、そこに簡単な図・イメージを描いたり、左に課題、右側に解決策を書いたり、どんどん応用が広がっていきます。

img2日本企業を襲う「自分のアタマで考えない」病

企画書も、思いつく内容を40~50ページにざっと吐き出していき、それを並べてツリー状にして、それからパワーポイントなどで作成すると1時間程度で作成できるようになります。そうなると、仕事が3倍速どころか、もっともっと早くなっていきます。しかも内容はこれまでにないほどよい内容になります。

——-なぜ紙で書き残すのがいいのでしょう?

赤羽:多くの方は、手帳やカード、あるいはPC、スマートフォン、タブレットなどでパワーポイント、ワード、エクセル、メモ帳などに何らかのメモを書いておられると思います。手帳だと、思いついたことをそのままどんどん書くスペースがありません。どうしても、絞りに絞ったキーワードだけになり、頭の中身を全部吐き出すことができません。また、関連する内容があちこちに散在した状況になり、頭を整理することができません。頑張って整理しようとすると各色の粘着メモの山になったりします。また、浮かんだことを全部書くようにすると、あっという間に手帳が何十冊にもなってしまいます。

ルーズリーフなど、色々凝ったノート類は高価ですし、切り取って整理するなどの時間が結構かかります。

カードは意外にスペースがないため、どうしても書く内容を端折りがちですし、A4フォルダでの整理もできません。

PCでブラインドタッチができる人にとっては、字だけは早く書けますが、簡単な図を入れようとすると突然全く対応できなくなります。そうすると、図やイメージで表現すべきものも全部無理に文字で表現しようとするか、省略してしまいます。また数十ページ書き出して、それを並べ頭を整理することも一々印刷しないとできません。ですので、「ゼロ秒思考」の目的としては、PCの使用をお勧めできません。もちろん、メール、企画書、プレゼン資料、議事録などにPCを使うのは当然です。

スマートフォン、タブレットなどですと、1分で4~6行、各20~30字というスピードでは到底書けませんし、簡単な図を描くことも全くできません。むしろ最小限の字で表現しようとして、大事なことの多くを失いますし、表現力がつきませんので、メモ書きにはお勧めしていません。

——-このほか注意しなければならないことはありますか。効果がでないパターンもあるのでしょうか。

赤羽:何点かあります。まず、頑張って1ページ1分で書き終えることです。「ゼロ秒思考」を読まれてメモを書き始められた方でも、1ページ数分以上かけていた方が大半です。メモ書き実践セミナーに参加していただくと、1分ごとに次、次、と書き進むので、皆さんびっくりされます。でも、実際書けてしまいます。

実は、メモの内容は、1分で急いでも、急がなくても大差ありません。急がなければすぐ3~5分たってしまいます。言いかえれば、頑張れば、誰でも思いついたことを1分あるいは1分強で書けるようになるので、ぜひそうしましょう、というものです。これはやってみれば早くできるのだから早く書いてしまいましょう、というだけではなく、このくらいのスピードで書かないと、余計に考え過ぎ、頭が停止気味で成長につながらないので、もったいないですよ、ということです。最初のうちは、時計の秒針を見ながら、ぜひ頑張って1ページ1分で書いてください。

第二に、頑張って4~6行書くものの、各行が5~10字と短くなってしまう方が結構いらっしゃいます。その短さだと言語化が十分ではなく、言うべき内容の一部しか書いていないことになります。不安にしても、こうしようと思うことでも、しっかり言語化すると5~10字では到底書けません。なので、4~6行、各20~30字の長さで、頭に浮かぶことをしっかり書き出してしまいましょう、というものです。

第三に、かっこいい内容を書こうとしないことです。そういうことを気にせず、ただ書き出していると、自然に素晴らしい内容になっていきます。順番も大事なことから書けるようになり、自然に起承転結にもなっていきます。内容を全く気にせず書くことがポイントです。

第四に、さっき書いたことでも昨日書いたことでも、頭に浮かぶことは気にせず何度でも書くことです。その際、前に書いたメモを探したり見返したりするのではなく、改めて書けばいいです。気になることをそうやって何回でも書いていると自然にもう書こうとは思わなくなります。その時、そのテーマに関しては、咀嚼でき、消化でき、自分のものとして身についていたり、あるいは気にならない存在になったりしています。

「ゼロ秒思考」が生まれた背景

——-そもそも、このメソッドはどういう経緯で生まれたものなのでしょうか。

赤羽:はい、元々はマッキンゼーに入社した際、インタビューの仕方、分析の仕方、チームマネジメントの仕方などで役立つアドバイスを先輩から多数いただき、それを漏らさず書き留めよう、書き留めた上でしっかり理解し自分の物としよう、というプロセスから生まれました。

最初はもちろんノート、ルーズリーフ、カード、PCなども全部試しましたが、結局、一件一葉で整理できること、どこでも瞬時に書けること、スペースが大きく適切な長さで書けること、文字だけではなくイメージ図なども即座に書けること、並べてアイデアを更に出すことができること、費用がほとんどかからないこと、書いたものをA4クリアフォルダで整理するとほかの資料も合わせて一貫整理ができること、などの理由によってA4用紙を横置きにした現在の形に落ち着きました。

——-企業で導入された事例なども多いと伺っています。

赤羽:過去10年以上、大企業の経営改革を何社かお手伝いしてきましたが、経営改革プロジェクトメンバーには全員、毎日10ページのメモ書きをしていただいています。ただ書くだけではなく、毎日その10ページを複合機などでスキャンして、PDFとして私に送っていただき、すぐフィードバックしています。

そのプロセスで、1人ひとり何に悩んでいるのか、なぜ会社が動かないのか、どこに経営改革のヒントがあるのかが全部伝わってくるだけではなく、毎日のメールのやり取りで、励まし、助言し、経営改革を推進しやすい状況を作り出しています。

優秀だと言われる部課長もほぼ全員、自分のスキル、将来、仕事、家庭、育児、教育、介護などに関して悩みがあり、何をすべきか迷いがありますが、メモ書きで方針が見え、見違えるように元気になっていきます。

また、2010年から国際協力機構(JICA)のプログラムで、筑波大学の司馬正次名誉教授の依頼を受け、インド製造業幹部100名以上にムンバイ、コルカタでそれぞれ6時間で17ページほどのビジネスプランを作成していただくワークショップを開催しています。全員がラップトップPCを使ってその時間内にドラフトを完成します。その開始前にメモ書きを10ページしていただいて、考えをさっとまとめるトレーニングをすることで、全体のプロセスが早くなっています。彼らはその後もメモを送ってくれたりしていますので、励ましの言葉とともにすぐフィードバックしています。

img3日本企業を襲う「自分のアタマで考えない」病

これは、昨年12月にムンバイでメモ書きをしていただいた際の写真ですが、日本の心を理解していただく、ということで全員靴を脱いでいる状況ですので、こんな感じになりますね。この方々は、インド製造業幹部で40~50歳、それぞれ数十人から数百人の部下を持っている、大変に優秀な方々です。「ゼロ秒思考」でのA4メモのシンプルさを非常に気にいっていただき、その後も書いたメモを送ってくださる方も多数おられます。

新規事業の立ち上げに使うときのコツ

——-新規事業の立ち上げに活用する場面でのやり方はあるんでしょうか?

赤羽:新規事業の立ち上げに活用するには大きく3つあります。

一つは、新規事業のアイデアを出す時で、この時にはアイデアを何十個以上もメモに書き出していきます。ホワイトボードや模造紙に書くことは普通にされていますし、最初からパワーポイントに書かれる方も多いと思いますが、A4用紙にメモで書くことで何倍も早く、湧き出るようにアイデアを出せるようになると思います。何でも1分で書き終える、ちょっと気になったこと、思いついたことを書き出すという訓練により、かっこいいことを言おうとしたりまとめようとしたりせずにさっと書き出すことができるからです。チームに3人いる場合は、3人がそれぞれ40~50ページ書いてもちより、お互いに説明しあったり、特にやりたい3個ずつを説明しあったりすることで更にアイデアが豊富に出るようになります。

二つ目には、ある程度案がまとまって新規事業計画書を作成する時です。この際、「ゼロ秒思考」の後半にも書きましたが、頭に浮かぶ内容を構造など気にせず、50~60ページどんどんA4メモの形で書き出していきます。構造、章構成など気にせずに書いていくことがポイントです。その後、書いたメモを全部大きな机の上に拡げ、そこで初めて全体の構成や第1章、第2章、第3章に何を書くかを置いていく感じになります。それを見て、また10~30ページほど新たに書いたり、2ページを合体させたり、1ページを2~3ページに分けたり、これもすべてA4メモの形で書いていきます。この場合は、ネタが目の前にありますので、1ページ1分かかりません。そこで改めて大きな机の上にひろげます。それを見て、今度は直接パワーポイントに打ち込んでいく形です。これにより合計2時間強でいったん頭の中身を全部吐き出した形でのパワーポイント資料ができあがっていきます。通常のやり方との決定的な違いは、形にこだわることなくどんどん吐き出していくこと、その上で構造化していくことでしょうか。悩むこと、意味なく逡巡することがなくなり、非常に高速化します。

三つ目ですが、新規事業を立ち上げるためには、まず実証ミニプロダクト(MVP)をささっと作り、顧客・ユーザーの反応を確認することが最近のリーンスタートアップ的動きからはお勧めです。その時、いろいろなアイデアがどんどん出るものの逆にあふれたり混乱したりします。そういう時、チームメンバーがただ議論するのではなく、ミーティングで顔を合わせたらすぐその場でそれぞれが10ページA4メモを書いてそれから議論するようにすると、はるかに短時間でアイデアが出てきたり、方針決定をしたりすることができます。これはその後の運営状況、バージョンアップ、マイルストーン開発などでも同様です。

シャイすぎる?

——-ちょっと余談になりますが、この本をきっかけに、今までとは違った相談も舞い込んできたのではないかと思いますが、

赤羽:いえいえ、残念ながら特にはございません(笑)。ラジオの生放送や、講演の機会は大変増えましたが。

実は、本の最後には、「本を読んだ感想を是非送ってください。書いたメモを送ってくださったらすぐフィードバックします」ということでメールアドレス(akaba@b-t-partners.com)を書いているのですが、昨年末の出版以来、直接メールを下さった読者の方は何と、わずか20名です。著者がメールアドレスを公開し、やりとりができるというのはまだ珍しいことで、出版社の方にもメールが殺到したら大変だからやめておくようにとアドバイスされました。

私は、1人でも多くの方とやり取りをして、悩みを減らすお手伝いをしたいと公開させていただいたのですが、日本人の控えめ過ぎる姿勢は残念に思います。セミナーに参加された方は皆大変に喜んでくださっているので、内容の問題ではないと思いますし、これまでに6回増刷され、6万3000部出ていますので、かなりの方に読んでいただいているのですが、それでも20人です。せっかくの機会をもっと積極的に活用してほしいと心底思います。

——-ええ、20人ですか。本当に「控え目」だけなのでしょうか?(笑)

赤羽:そうですね。私も驚いているのですが、ひたすら控え目なのだろうと思います(笑)。多分、自分がメールを出すまででもないとか、何を書いたらいいのかわからないとか、そういったことなのだろうと想像しています。

メールを送ってくださった方はごく一般の方々なので、たまたまなのだろうと思いますが、日本人はそのちょっとしたことが踏み切れないんですよね。大変にもったいないことです。

韓国、台湾、中国の大手出版社での「ゼロ秒思考」の出版が実は決まっておりまして、その時、アドレスを載せるかどうかは考え中です。彼らは「え? 著者にメールを送ったらフィードバックをくれる? だったら送ろう!」となりそうですので。

この問題は、外国人が主体となるパーティー、カンファレンス、あるいはMBAの授業などで日本人が発言しない、できないという問題と同根なのではないかと考えています。これは何としても変えたいです。ちなみに、私の講演会では、例えば50人くらい参加しておられると40~50回以上の質疑応答が活発に行われます。質問に対して私がゼロ秒でお答えし、それに釣られてまたどんどん質問が出て、というサイクルの中で、熱気あふれる会になっていく感じです。

これは中小企業オーナーで60~70歳の方が大半であっても、あるいは大学生150名くらいに対しての講義でも、あるいは女性が多い講演会などでもそうです。珍しいですよね。というか、日本では多分ほかにあまり例を見ないと思います。ごく普通の日本人の方が、私の講演会では質問してもいいんだ、質問すると楽しいんだ、ということでその場で質問できるようになります。

いつもこの変化を見ているので、私としては、色々なしかけで何としても日本人の基本的行動をもっともっと元気にしていきたいです。

「ゼロ秒思考」のメモ書きを徹底することで、大企業の経営幹部・部課長も、ベンチャー社長・社員も、お仕事をされている方も学生の方も、誰でも悩みを減らし、考えを整理し、やるべきことをはるかに容易かつ素早く実行できるようになることが、私が接した数千人以上の方によって実証され、体感していただいています。「ゼロ秒思考」の読者数万人以上の方も、少なからずメモを書いて体感しておられます。

この世界一シンプルかつ効果的なトレーニングを、1人でも多くの方に経験していただければ嬉しいです。戦略思考、論理的思考法、事業計画作成、コミュニケーション力向上、人の気持ちを読むなどの本をいくら読んでも気休めにしかなりません。実際に問題把握・解決力を上げて期待しておられる成果を出すには、何らかのトレーニングが必須です。「ゼロ秒思考」のメモ書きはそのトレーニングを極めて低コストかつ短期間に提供します。しかも何と言っても、やっていて楽しく、すがすがしい気持ちになります。自信が湧いてきます。小学生でも70~80歳の方でも、皆一緒にメモを書くこともできます。

経営幹部・部課長の意識・行動改革を本気で進めたいとか、一般の勉強会・サークルなどで悩みを減らし言いたいことが言えるようになるためにメモ書きをやってみたい、という場合、人数が集まれば、できる限り日本全国どこでも駆けつけたいと思います。2~6月にも、20回以上講演の予定です。

(終)
 
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