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コーチングに本気で取り組むと、生産性が爆増する

コーチングに本気で取り組むと、生産性が爆増する

上司の「本分」は成果を出しつつ、部下を育てること

「武士の本分」という言葉がありますが、上司の「本分」は何でしょうか。それは自部署の必達目標を達成しつつ、部下を育てることです。

成果を出すために部下を使い捨てにすることではありません。ところがパワハラ上司は、部下をうつ病に追い込もうが気にせずプレッシャーをかけ続けます。

パワハラではない上司も、自分が成果を出すことに一生懸命か、部下を叱咤激励することに集中しているかであり、部下を育てることはなおざりになっています。「チャレンジしなければ育たない。自分で考えさせるのがいいんだ」という錦の御旗のもとに、ろくに指示を出さず、後出しじゃんけんで部下の業務に注文をつけることがほとんどではないでしょうか。明らかに意地悪でそうしている場合も多そうですし、悪意はなくても結果的に部下に過剰なプレッシャーをかけ続けることは普通に見られます。

多くの場合、上司は自分の知見、アウトプットイメージをほとんど部下に伝えません。そうやって育てているつもりですが、実際は、言うほどの知見がないのでしょう。このやり方は、部下からの信頼を大きく傷つけますが、それにも気づきません。ご自身が部下として上司へ問題意識を持っていたことはすぐに忘れてしまうようです。

コーチングへの誤解、理解不足、コミットメント不足、スキル不足

人を育てる、コーチングする、いう概念は人によってまちまちだと思います。ほとんどの上司は「自分は部下を育てている」「仕事をしながら覚えればいい」と考えていることでしょう。

マッキンゼー以来、大企業の経営改革、意識・行動改革に取り組む中で、数千人の上司に接してきましたが、皆、部下育成に苦労し、悩んでいたように思います。部下育成に明確な方針を持ち、最善手を尽くしている方には、ほとんどお目にかかったことがありません。一部上場の大企業も、中堅、中小企業も同じです。そこからスピンアウトしたり、起業したりしたベンチャー企業もやはり同じです。

もっと言えば、人を育てるという概念がまちまちであるだけではなく、希薄だとも思います。悩んではいるものの、本気で取り組んでいるようには思えない、という意味です。結局、自部署の必達目標を達成することに汲汲としており、部下育成など何かと言えば二の次になるからです。

こういうあいまいな状況なので、「コーチング」とは何か、どうあるべきか、私なりの定義をお話しして整理したいと思います。

コーチングには2つの要素があります。

まず、「こうすればうまくできるという素晴らしいノウハウを伝えること」です。企画書の書き方、顧客開拓のしかた、事業提携のしかた、商品開発のしかた、何に対しても、こうすればうまくできるという方法があり、できる上司は素晴らしいノウハウを持っています。これを惜しみなく伝えます。

口頭では曖昧になりますので、できるかぎり、書いたもので示します。書くのが面倒だ、そんな時間を使っている暇はない、というのはただの逃げです。書かなければ本当の意味でノウハウ化しませんし、書いたものは再利用が簡単にできます。

もう一つの要素は、「こうやったらできるという実際の行動を背中で見せること」です。素晴らしいはずのノウハウでも、上司が体現しなければ、説得力がありません。実際にできることなのかどうか、疑念も生じます。

サッカーの名選手がドリブルやキックはこのようにやればよいとノウハウを明示し、見本として神業を見せるようなものです。つまり、プロスポーツやプロのアーティストの間では普通に行われていることです。ところがなぜかほとんどの上司はノウハウも伝えなければ、感動的な見本を見せることもありません。プロではないのでしょうか。

私は、多分、企業においてはコーチングに対する大きな誤解、理解不足、コミットメント不足、スキル不足があるのだろうと思います。「上司のわざ」に対する目線・意識の低さが決定的なのではないでしょうか。

コーチングに本気で取り組むには

私は、誰でも、コーチング力を今の何倍にも高めることができると考えています。すべて私が実践し、各企業で導入もしてきました。その方法は次のようなものです。

  1. 上司の仕事は自部署の成果を出すことと、部下を徹底的に育てることの両方だということを明確に理解し、認識することから始まります。
  2. その上で、自部署のミッションをそれぞれの部下の業務として割り振ります。どういう水準までの結果を求めるのか、先行指標、現行指標、遅行指標で示します。顧客を毎月5人開拓するという目標だとすると、先行指標は、2ヶ月前に50人のアポ取りをし、1ヶ月前には20人と面談する、というようなものになります。遅行指標は開拓した5人の顧客の満足度推移などになります。
  3. その業務を遂行するために効果的な方法を伝え、見本を見せます。
  4. 業績・成長目標合意書を書いて、部下の長所、成長課題、成長目標、部下の具体策、上司の支援策を1ページに整理し、部下と合意します。
  5. 通常の業務ミーティングとは別に、隔週で10分でいいので、業績・成長目標合意書を見ながら、育成面談をします。
  6. 常に、その部下は何が強く、どういう経験をさせれば爆発的に成長するのか、考え続けます。
  7. すべてのプロセスで、コーチングに欠かせないポジティブフィードバック、アクティブリスニングをやり続けます。罵倒するのも、投げやりな言い方をするのも論外です。
  8. 部下への接し方として「感情的になって怒ってはだめだが、必要に応じて叱るべきだ」というのがありますが、私は違うと考えています。「怒るのも叱るのも同じ」です。どちらも部下から見たらうるさいし、萎縮するだけです。普段、部下と目線合わせをし、コミュニケーションを十分に維持し、適切なコーチングをしていたら、大きな失敗はありません。上司が放置するから、問題が起きるだけです。失敗は上司の責任です。叱るなら自分を叱ってください。

以上です。部下がやる気を出して大きな成果をあげ、しかも急成長するので、自部署の戦闘力が上がり、生産性が爆増します。いつまでも出なかった結果が出るようになります。

「こんなのとてもやってられない」「自分はこんなコーチング受けたことないから知らない」でしょうか。

実は全然むずかしくありませんし、時間も取りません。

今までほとんどの上司が知らなかったか、何となく知っていてもサボっていたことをやるだけです。

しかも、こうやって適切なコーチングと「上司の本分」を尽くすことで、何より、上司自身が驚くほど成長します。人の成長には本当に限界がありません。

詳しくは、『世界基準の上司』(KADOKAWA刊)、『マンガでわかる! マッキンゼー式リーダー論』(宝島社刊)、『すごい成果をあげているリーダーが実行している40の習慣』(PHP出版刊)などをご覧いただければ幸いです。

 
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