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会議のファシリテーション8つのポイント

会議のファシリテーション8つのポイント

ファシリテーションの重要性

「会議のファシリテーションがうまいか下手か」で仕事ができるかどうか決まる、といっても過言ではありません。ここでは、社内会議についてお話したいと思います。ファシリテーションがうまくできれば会議をリードできますので、社内をまとめ会社を動かして成果を出すことができます。

ファシリテーションに際しては、自分が一番上の立場での会議と、中堅メンバーとして参加する会議と大きく2つに分けられます。

まず、自分が一番上の立場での会議、つまり自部署の部下との会議の場合です。これをうまくリードすることで、自部署が進むべき方向が明確になり、部下の合意が形成できるとともにやる気も多いに高まります。

会社はチームプレイですので、個人プレイに加えてチームとしての連携が不可欠です。監督としての自分の方針が明確で、かつチーム全員に伝わり、最強の戦力を発揮しなければ試合に勝てません。

ところが、部下が2人以上になると、大なり小なり混乱が生じたり、摩擦、反目が生まれがちです。ライバル心といってもいいですし、よく解釈すると成長意欲ということかも知れません。部下同士でどちらが上かを競いあってマウンティング「お前は俺より下だ」「あなたは私になんか、かないっこないのよ」したり、足の引っ張り合いをしたりします。

そういうチームを対象にした、ある種の「猛獣使い」がどうしても必要になるわけです。けんかや言い争いを最小限にして、チームの目標を示し、それに向かって皆の心を一つにまとめあげていく、その重要なチャンスが会議のファシリテーションです。

次に、自分が一番上ではないのにファシリテーションをする場合です。例えば、経営計画課の担当者として、事業部長と各部署のリーダークラスが出席する事業計画検討会を主催し、ファシリテーションしなければならないときです。

各部署のリーダークラスが発表する際、事業部長と彼らの間、また各部署間で齟齬が生まれがちです。事業部長には会社上層部からプレッシャーがかかっていますので、性急に結果を求める傾向にあります。部下の発表をあまり聞かず、いらいらを見せたり、やや現場感覚に乏しい案を命令しようとしたりします。自分より上にあたる人を、言葉を荒げずに、さりげなくたしなめることが、ファシリテーターとして期待されます。

事業部長が特にいばろうとしたり、悪意があったりするわけではありません。ところが、自分の意見を伝えるのにどのくらい強く言ったらいいのか、どういう言葉使いをしたらいいのか、必ずしもよくわかっていません。示唆したつもりが命令と受け取られたり、指示したつもりなのに、いつまでも実行されなかったり、結構いつもフラストレーションを抱えています。

発表者のほうも、事業部長の前であがりがちです。本当に言いたいことが言えない状況にも陥ります。説明しようとすると「回りくどい!」と言われ、説明を端折ると「説明がなっとらん!」と言われ、混乱していることがよくあると思います。本当に要領のよい、空気を読むことだけに長けた人が重用されるのは、こういう理由です。

これらの問題をうまく察知し、皆の気持ちを一つにしてディスカッションが建設的にできるようにするのが会議のファシリテーションで、かなりのスキルと自信、エネルギーが必要です。

発言しやすいように材料を用意する

会議のファシリテーションをするための出発点であり、前提条件であり、最重要な準備は、「発言しやすいように材料を用意する」ということです。何も資料がなく、適当にディスカッションを始めても何も決まりませんし、そもそも何を議論するかも見えません。

会議にあたってかなりの量の資料が用意されることが普通ですが、ほとんどの資料が何を議論すべきかがあいまいだったり、議題は明確であっても議論するために必要な材料が不十分だったり、不備であることが多いです。

会議をきちんとファシリテーションするためには、大前提として、議論しやすい材料、ネタを準備し、参加者が手持ち無沙汰になったり、戸惑ったりしないようにする必要があります。

直前の確認では修正できませんので、発表者がどういうものを準備しようとしているのかを会議の数日前に確認し、適宜、遠慮なくフィードバックして、よい内容にしていきます。このときの鍵が「遠慮しない」ということで、遠慮すればするほど、妥協の産物であり不完全なものになります。

遠慮しないことは状況、立場によっては簡単ではありませんが、断固として不適切な書類を改善する必要があります。遠慮して問題点を後送りすると、会議の場で紛糾したり、次週持ち越しになったりして、後でもっと大きな問題を生じます。

発表は短くする

会議の最初にいくつか報告があると思いますが、その発表はできるだけ短くする必要があります。どんなに長くても1件7~10分程度でしょうか。それ以上になると情報量が多すぎて聞く側が理解しきれません。報告のための報告になってしまいます。

会社によっては、一人10分で10人連続して報告、などもあります。一人ひとりの報告はそこまで長くないですが、合計は1時間以上にもなり、集中できません。短いけれど要点を押さえた発表後、オープンに議論する形に変えることで、企業の意思決定が健全化していきます。

ときどき、主催者、ファシリテーターがどんなにうるさく言っても延々と話し続ける人がいます。あと3分でお願いしますと強く言っても「はいわかりました」と言って、構わず続けます。こういう人には皆が手を焼き、しょうがなしに放置しているだけなので、ファシリテーターは遠慮なく止めなければなりません。

質問者が深掘りできるようにする

会議をもっとも有意義にするものは発表ではなく、質疑応答です。ただの情報共有であれば、そもそもメールや社内ウェブでの共有でもできなくはないわけで、忙しい中で皆が集まるのは、その場でのリアルなやり取りに価値があるからです。

質疑応答は普通に行われていますが、私が見ていると不十分なことが一つあります。それは、質問の深掘りがあまりなされないことです。質問して答えられたことに対して、「え? だったらこういうことはどうでしょうか」と質問し、それに答えてもらったらまた質問する、というふうにある程度納得できるまで数回質問をし続けるということです。

通常、一度の説明だけで背景・理由も含めて十分理解できることはそれほど多くはありません。説明そのものが舌足らずだったりわかりにくかったりすることも多いですし、時間制限の中で説明が端折られてしまうことも多いからです。

したがって、きちんとコミュニケーションをし、理解してもらうためには、ある程度の質疑応答がどうしても必要なのです。形式的に一つ質問をして、一言答えて終わりにする、という形では不十分です。

ところが日本では、十分理解・納得できなくても、「質問をするということ自体、失礼」という感覚が強いので、表面的なやり取りで終わらることが多く見られます。遠慮して質問をあまりしませんし、頑張って質問したとしても一度質問して終わりになりがちです。ファシリテーターとしては質問を続けて深掘りできるようにしてあげるとよりよい会議になるのです。

深掘りできれば質問者は納得できますし、そのやり取りを見ている質問者以外の人の理解も深まります。「なるほど! そういうことだったのか」と合点がいきます。

また、深掘りのよいところは、やりとりの中で疑問点やもやもやが晴れていきますので、問題の本質が浮かび上がることです。問題の本質を押さえられると、解決策もより的確になっていきます。

一点、気を付けなければならないことがあります。深掘りは、上の立場の人が答えられないのがわかっているような質問を次々になげつけて尋問する、ということではありません。ファシリテーターはそういう言動が見られたら制止する必要もあります。

発言がないときは水を向ける

会議によってはなぜか発言が全く続かないことがあります。資料がそう悪かったわけではない、プレゼンがわかりにくかったわけでもない、何か事故が起こって意気消沈しているわけでもない、なのに、海の凪のように動きが悪い状況ですね。

巡り合わせでなります。そういうとき、ファシリテーターは皆が発言しやすいように水を向ける必要があります。意見を持っていそうな人、遠慮して黙っているのいる人、賢いのに引っ込み思案な人は当然わかりますので、水を向けて発言、質問を引き出す感じですね。

一人だと火がつかないこともありますが、そういう場合、もうサブのファシリテーター的をうまく巻き込んでいくことで徐々に火がつきます。あせらず、慌てず、落ち着いて、余裕を持って進めていくと落ち着くところに落ち着く、という感じですね。

自分の意見も少し伝えてそれでもどうにも変わらないときは、早めに切り上げるのがよいと思います。

遠慮している人の意見を代弁して引き出す

会議では、遠慮して意見を言わない人が大半です。意見を言ってもろくなことがないし、どうせ無駄なのでやめておこう、という感じですね。ところが、そういう意見にこそ真実があり、会社の業績を伸ばすヒントが隠されていることが多くあります。

ファシリテーターはそれを知って水を向けるわけですが、それでも発言してくれないことがあります。

そういう場合は、あえて代弁し、その意見の最初の部分を言い始めてしまえばよいと思います。そこまでされると、さすがに話し始めてくれますので、バトンタッチします。

ファシリテーションとは、そこまでやるものだと理解いただいたほうがいいです。これは、えこひいきとか、片寄っているという話ではありません。

ファシリテーターは、バランス感覚を持って、会議への参加者から会社にとって役立つ意見を引き出し、全体をリードしていくことが大切です。これがリーダーシップです。リーダーシップと単なる「誘導」「押しつけ、決めつけ」は別です。

わかりにくい発言は整理してあげる

人によっては非常によい考えを持っていても、極めてわかりにくい話しかできない人がいます。ファシリテーターとしては整理してあげる、ということに尽きます。「あ、これはわかりにくいな」と思ったら、すぐそのスイッチを入れます。

押しつけがましくない言い方、上から目線には絶対取られない言い方で発言内容をわかりやすく言いかえます。

実はこれは結構至難のわざで、わかりにくい話をしている人の話を一度で推測し、理解してあげることが第一歩です。その上で、その人が大切にしている思い、価値観を尊重しつつ、発言内容を整理しなおします。

遠慮はいりませんが、慎重にやらないとうまく整理できません。会社、部門の課題、競合状況なども理解しておく必要があります。ファシリテーターの問題把握・解決力が問われると言っても過言ではありません。もちろん、慣れればどうと言うことはなく、的確にできるようになります。

最後に今後の進め方を整理し、達成感を感じていただく

会議のファシリテーションの最後のポイントとしては、会議の最後に合意事項を整理してホワイトボードなどに書き、合意形成をすることです。最初からずっとホワイトボードを使うやり方も効果的で、それについては別途ご説明します。

書くことで各部門が何をすべきかもはっきりして、皆さらにやる気を出します。アクションやターゲット、責任者がはっきりしていないところがあれば、ここで明確にします。最後に中途半端な書き方をして整理に失敗しないようにしていきます。

最後に締めるためには、もちろん途中でしっかりとリーダーシップを発揮し、活気ある議論をしつつ、確実に合意形成を進めていく必要があります。

参加してよかった。他と違って、非常に意味のある会議だった。こう感じていただける会議にすることはここまでご説明した進め方をするとかなり容易で、十分再現性があります。言い換えると、一度できるようになると、いつでもできますし、他の人とは圧倒的な差がつきます。

 
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