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日本人一人ひとりが行動を起こすために、「頭を前向きにする習慣」を! (第1回)

日本人一人ひとりが行動を起こすために、「頭を前向きにする習慣」を! (第1回)

日本人が前向きに考え、行動する習慣を身につけるために

円安と株価高で、自動車・電機など一部の大企業は非常に業績がよいが、製造大企業の多くと、中小企業はその恩恵に与からず、かなり苦しい戦いを強いられている。

給与水準も上がらないし、正社員は減る一方だ。いったん正規雇用を外れると、一生厳しいことになる。女性の貧困層も増えている。もちろん、年金制度は完全に破綻しており、多くの人にとって生活の保証は全くない。人口は急激に減り、高齢化が加速している。

日本への危機意識から、1年前に『ゼロ秒思考』を上梓した。一人ひとりが思考停止になりがちで、危機に対して十分な対処ができていないと思ったからだ。幸い好評を得て、7万部を突破した。

もう一歩踏み込んで、今回、「日本人がなぜグローバルに活躍できないのか」「なぜあまり考えないのか」に踏み込み、「どうすれば日本人が前向きに考え、行動する習慣を身につけていくことができるのか」を考え抜いて、『頭を前向きにする習慣』として出版した。

その骨子を今回から3回にわたってご紹介したい。

 

頭を前向きにする習慣』
著者= 赤羽雄二
幻冬舎エデュケーション新書 / 定価840円(税込み)

◎内容紹介◎

「成長し昇進するか、会社を辞めるか」—常にその選択を迫られるマッキンゼーでのハードな仕事を支えたのはA4一枚の「メモ書き」だった!
●A4の紙1ページに、1件の課題を書く
●1ページ1分以内で書き切る
●頭に浮かんだ感情も、洗いざらい書き出す
瞬時に課題を認識・整理・解決、そして意思決定まで進める「ゼロ秒思考」を鍛えれば、頭も気持ちも軽くなり、考えが明確になる。マッキンゼーで14年間活躍した著者が行きついた、人生に好循環を起こす画期的思考法!

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日本の危機

米国企業との競争力の差、時価総額の差は決定的になった(「決定的に広がる日米製造大企業の競争力!『SXSW 2014』で感じた、イノベーションを生み出す環境づくりの重要性」参照)。

国全体で見ると、私の危機意識は高まる一方だ。株高で浮かれている場合では全くない。1ドル=120円で見た場合、時価総額83兆円のAppleと時価総額44兆円のGoogleの2社に、日本の誇りとしていた中小・中堅企業の技術が会社ごと根こそぎ買われても、止めようのない時代だ。実際、東大発のロボットベンチャーSCHAFTは、日本VC10社以上にあたっても資金調達ができずに苦しんでいたところ、Googleが即決で買収した。

富士通、NECなど、一時は世界的な地位をほしいままにしていた大企業も、時価総額が1兆円前後と格好のM&Aターゲットになり得る(価値が認められたらの話だが)。東芝は2兆円台、事業構造改革をなし遂げ最高益が続く日立製作所でも4兆円台だ。

世界時価総額ランキング(http://goo.gl/Dpoa)上位50社中、米国企業が31社、中国企業が8社、英国・スイスがそれぞれ3社、韓国・インド・ベルギー・オーストラリアと日本が1社ずつだ(日本は、トヨタ自動車で26兆円)。

上位10社中、9位までを米国企業が独占する(合計の時価総額は413兆円)。ちなみに、10位は33兆円の中国アリババグループになる。

つまり、日本企業と米国企業、世界で戦うグローバル企業の体力差が決定的につき、広がっている。この事実は変えられない。

ところが、日本人一人ひとりを見ると、なぜかこういった事実を直視しようとせず、耳にやさしい話に終始しているとしか思えない。

グローバルに活躍できない日本人

よくも悪くも、日本が島国として、ほぼ単一民族として独自の発展を長らく続けたため、日本人はグローバルな環境で活躍することがあまり得意ではない。中国、朝鮮半島との接点は2000年も前から頻繁にあったので、その地域までは相当の馴染みがあるが。この結果、

・自分の考え方を明確に持ち、はっきりと言うことを必ずしもよしとしない
・価値観や仕事のスタイルが大きく異なる他の民族、他の国に慣れていない
・価値観が違う人とどう仕事をすべきなのか、意見のぶつかり合いをどう調整するのか慣れていない
・英語を共通語として、どの国の人とでも抵抗なく会話をすることができない
・どこの国にも優秀な人がいるが、そういった人を対等に扱い、昇進させることができない
・自国の特長、価値観を国際社会で適切な形で主張、広報することができない
・自国の害になるような動きに対して、激しく抗議することができず、看過する

という状況にある。

〔PHOTO〕gettyimages

日本人がグローバルな環境、すなわち国外や国内でも外国人の多い環境で活躍できない最大の理由は、英語力によるところが大きい。英語での交渉、講演、質疑応答などはもとより、パーティーや会食でも十分に話すことができない人が多い。TOEICの点数がどれほど高くてもだ。

会話だけではない。欧米、アジアを中心に、グローバルな企業の競争環境と市場はダイナミックに変化している。競合も次々に出現するし規制や国際標準等も変わっていくので、かなりの量の英語のブログ記事、新聞記事、資料等を読まないと本当はついていけない。ところが、英語が苦手な日本人は、一部の方を除いて、英語での情報収集ができず、読める人でもまず読まない。

日本語での情報はあふれているが、実はかなりが重複しており、本当に重要な情報はカバーされていないことが多い。したがって、英語の情報をほぼ全く読まない日本人は、世界共通のニュース、出来事から置いてけぼりにされている。日本語の情報は量的には相当多く見えるため、問題意識を持って検索しないと、それらの情報を消化するだけで一日が終わってしまう。

全世界的に流通している重要な情報が100だとすると、そのうち20程度がくり返し報道され、残りはほぼ存在しないのと同じ扱いになっている。日本人は全力で情報を収集し、本気で考え、真剣に問題解決する、ということが苦手なようだ。

なぜあまり考えようとしないのか

「自分は頭が悪い」と言う人が結構多いと思う。口にはしなくても、「自分は頭があまりよくない」と思って自信を持てないようだ。頭がいいか悪いかは生まれ持ったもので、体は鍛えることができても頭を鍛えることはできないと思っている。

「面倒くさいことはともかく嫌。色々考えて動くのが面倒」「どうせ、うまく行かない」「自分一人が動いても何もできないし、何かやろうとしても失敗して怒られるだけ」というふうに考えている人も多いのではないだろうか。

また、ハングリー精神、向上心が弱く、「高い目標に向かって努力し、挑戦する」という気持ちを持てない人が今の日本にはかなり多い。仕事上や自分のキャリア上、あるいはプライベートで大きな問題があるのに、その問題を直視せず、改善しようとしないのだ。

こういうふうに言うと「いや、もちろん問題意識はある。何とかしようと思っている」と反論する人も多いだろう。ただ、口で言っているだけで、現状を変える努力を実際にしている人、飛躍的に成長するための努力をしている人にはなかなかお目にかかれない。

本当は考えれば何とかできるようなことでも、過去の失敗体験もあり、考えてもしょうがないと感じてしまう。考えることから逃げるようになってしまう。

集団によっては「今うまく行っているんだからこのままでいい」という意見が大勢を占め、陰に日なたに現状維持を強く要求される。そこでは新しいことにチャレンジして失敗したら、それこそ大問題になる。

第2回につづく〉

 
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