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部下が思うように動いてくれない理由はこれだった

部下が思うように動いてくれない理由はこれだった

部下は抵抗しているのではなく、上司が何を求めているのか知らないだけ

部下が思うように動いてくれない、という悩みを抱えた部長、課長が多いのではないでしょうか。部下に馬鹿にされたと思っているちょっと残念な上司も、私の知る限り、1割や2割ではなさそうです。

ほとんどの場合、部下は抵抗しているのではありません。企業に勤めていて、上司の言うことを無視したり、抵抗したりしてもいいことは全くありませんので、故意に抵抗することはあまりありません。

それよりも、上司が何を求めているかわからないために動くに動けない、ということがほとんどだと思います。

「だったら聞けばいいじゃないか」と考えたあなた! それでは上司としては失格です。そう考える上司に限って、部下が質問すると不快な表情をしたり、「何だ、こんなこともわからないのか」と嫌みを言ったりします。

もちろん、本人は自分が嫌みを言ったりネガティブな印象を部下に与えたりしているなどとは、夢にも思いません。ただ、部下はそう受け取りますし、「何を本当に求めているかはっきりわかっていない上司」「聞くたびに違うことを言う上司」「ほぼ誤解がないはずでも『ちょっと違うんだよなあ。なんだかなあ』と言って何度もやり直させる上司」などが多く、身構えざるを得ません。質問をすること自体、勇気が必要です。

勇気を奮って質問した結果、上司が機嫌を悪くし、いつまでもねちねちといじめられることもありますので、実際は、勇気があるとかないとかいうレベルではなく、サラリーマンとして賢いか生きていけるのかどうか、というレベルになってしまいます。無意味に上司の機嫌を損ねてどうするんだ、ということですから。

部下には上司の心の中はわからない

そうは言っても、上司としては大まかな指示で動いてほしいものです。細かなことまで指示するのは上司としてどうなの? という価値観すらあります。ただ私は、これは日本企業の上司の大半が持つ誤解であり、怠慢だと考えています。日本人以外もこの傾向がないわけではありませんが、指示ができない上司はあまり出世できないので、選別されていきます。

上司の心の中をどうして部下に推測させようとするのでしょうか。以心伝心、あうんの呼吸を求めるのでしょうか。そんなクイズのようなことで部下は育ちません。部下が育つのは、本人のスキルの120~150%の難易度の仕事に取り組み、適切な支援を得て、苦労するものの結果としては大きな成功を納め、自信をつけたときではないでしょうか。

大変なプレッシャーの中、上司が何を求めているのかわからない上、下手に質問をしたら面倒くさいことになるので聞かずに進め、何とか結果を出せた、ということも確かにあります。ただ、そんなやり方をしていては失敗することのほうがはるかに多いですし、何より、本人が自信を失い、つぶれてしまいます。

部下に自分の心の中を推測させるのは、本当にやめてほしいです。推測させるのではなく、もっと直接指示をし、コーチングをしていただければと思います。敵は外にいます。

実はもっと大きい問題もよくあります。それは、上司自身、自分が何を求めているのかよくわかっていないということです。部下に指示はするものの、自分でも本当は何が欲しいのか迷っていたり、もやもやしたりしている状況です。

当然、部下がどれほど優秀でも、その状態の上司の心の中を推測できるはずもありません。こういう上司に限って、部下が必死に出してきた結果に対して「ちょっと違うんだけどなあ」「どうしてわからないかなあ」などと言ってけちをつけます。

自分の上司には絶対に言わないようなせりふを部下に言うわけですが、そういう上司には言えないせりふを部下になぜ言ってもよいのでしょうか。これも理解に苦しみますが、いざ自分の立場になるとなぜかやってしまう上司が多いのではないでしょうか。こういうことが続くと、「上司の怠慢」で済む話ではなく、そのポジションにいてもよいのかという疑問が生まれます。

上司は書いたもので具体的に指示を出す

では、上司はどうしたらいいのでしょうか。

業務の指示は、1ページ、具体的かつわかりやすく書いて指示をするのが一番効果的です。「業務指示書」ですね。業務内容、期待成果、期限、投入資源、進行上の注意点など、箇条書きでいいので5分もあれば書けます。ただ、箇条書きとは言っても、「改善する」など4~6字で書くのではなく、『ゼロ秒思考』のA4メモで常に強調しているように、「こういう問題だからこのようにして改善する」と1行15~20字程度には詳しく書くことが望ましいです。

「期待成果」は、何を求めているのかの明確な記述と、定性的・定量的な達成指標です。ここに上司と部下で解釈の違いがあったりしないよう、的確な表現が求められます。

「期限」も絶対に何があっても越えられない期限なのか、さしあたりの努力目標なのか、きちんと書きます。むずかしい要求をしておけばいいや、ということでは全くありません。部下に無茶な期限を設定したほうが頑張って働く、という発想は、体質が古すぎるというふうに思います。

「投入資源」は、人材スペックと人数、開発費・広告費などの資金などについて誤解が起きないように明示します。

「進行上の注意点」は、その業務を進める上で注意しなければならないことを十分伝えます。顧客インタビューの注意点、企業提携のアプローチ上の注意、上司とのコミュニケーションの頻度・内容などです。

これらをパワーポイント1ページに書きます。一度テンプレートを作っておけば5~10分でも作成でき、言った言わないのいざこざがなくなります。

また、こうやって書かないと、口頭でいくら丁寧に説明し、部下も真剣に聞いても、時間がたつとともに、お互いが都合のよいように記憶を書き換えてしまいますので、部下が思うように動いてくれない、という事象が起きやすくなります。

進捗を何度も確認し、ずれていたらすぐに代替案を出して方向修正する

業務指示書によって業務を明確に指示したら、期限までの間に何度も進捗を確認し、ずれていたらすぐに代替案を出して方向修正します。例えば、2週間で企画書を一つまとめる業務だとしたら、その間、最低1日1回は確認することが望ましいと考えています。

最初の方向が明確なので、大きくぶれることはあまりありません。なので、頻度は多くても、実は上司の時間をそれほど取らずにすみます。

あまりにも多くの部下が自分で抱え込んでしまい、悩む必要のないところで悩み、時間を無駄にします。暗中模索となり、ストレスが大きいだけなので、それによってものすごく成長するということもあまりありません。

それよりは、部下の何倍も事情に通じ、経験も豊富な上司が進捗状況(=問題解決の状況)を頻繁に確認して、部下の考え違いがあれば助言し、どうやって前に進めるべきか、挽回すればいいかも具体的に示すほうがよほど早く進みます。しかも、「なるほど、こうすればよかったのか」と部下は感動し成長します。上司への信頼感も増します。

こうやって、「部下が思うように動いてくれない」という状況そのものがなくなっていきます。

 
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