Blog
ブログ記事

日本人一人ひとりが行動を起こすために、「頭を前向きにする習慣」を! (第2回)

日本人一人ひとりが行動を起こすために、「頭を前向きにする習慣」を! (第2回)

即断即決し、行動する習慣

前回に続き、『頭を前向きにする習慣』についての第2回をお送りする。

「考えるのが苦手、面倒だとか、気分がもやもやするのでうまく結論が出せない」という方は多いと思うが、拙著『ゼロ秒思考』でお勧めしているA4メモを毎日10ページ以上書き続けると、頭が常に整理され、もやもやしなくなり、すぐ結論を出せるようになる。

具体的には次のようなタイトルでメモを次々に書いていく。

・自分は今、何が気になっているのか
・なぜもやもやするのか
・何が一番嫌なのか
・どうすればやる気が出るのか
・今、何が問題でどう対処すべきなのか
・このプランのメリット・デメリットは何なのか

頑張って結論を出してみるとよくわかるが、何事に対しても、すぐ結論を出すか、結論を引き延ばすかは本人の「決め」と「習慣」の問題のことが多い。

「決め」というのは、「ある程度情報収集をし、検討もしたら、気にし過ぎずに決めてしまおう」という意味だ。結論を先延ばしにすることで精度が上がることはあまりない。先延ばしにすることで、対応が遅れて問題が大きくなったり、無為な時間を過ごしたりするだけだ。「精度を上げるため、結論を持ち越す」というのはただの逃げに過ぎないことが多い。

「習慣」というのは、「ある程度情報収集をし、検討もしたら、即座に決定して行動に移そう」とか、慎重にしたいことは「結論を出しても一晩寝て、翌朝に決定しよう」とか、自分としての決定パターンを作り、ある程度それにならうようにする、ということだ。これがないと、その時の気分でだらだら引き延ばしたり、思い付いたように動いたりする。習慣化できるものはできるだけ習慣化する方がよい。その方が余計な気を遣わず、淡々とかつ確実に進めることができる。
 

頭を前向きにする習慣』
著者= 赤羽雄二
幻冬舎エデュケーション新書 / 定価840円(税込み)

◎内容紹介◎

「成長し昇進するか、会社を辞めるか」—常にその選択を迫られるマッキンゼーでのハードな仕事を支えたのはA4一枚の「メモ書き」だった!
●A4の紙1ページに、1件の課題を書く
●1ページ1分以内で書き切る
●頭に浮かんだ感情も、洗いざらい書き出す
瞬時に課題を認識・整理・解決、そして意思決定まで進める「ゼロ秒思考」を鍛えれば、頭も気持ちも軽くなり、考えが明確になる。マッキンゼーで14年間活躍した著者が行きついた、人生に好循環を起こす画期的思考法!

⇒本を購入する AMAZONはこちら / 楽天ブックスはこちら

結局、自分で結論を出すことは、本当はむずかしい話でも何でもない。これまで他人に依存していた人でも、一度自分で結論を出すようにしてみると、実はこの方がよほどすっきりすることがわかる。自分でまず結論を出し、それから重要度と必要度に応じて、周囲に相談して進める習慣を身につけると、気分が断然いいし、もっと好循環になっていく。

「慎重に検討する」「時間をかけて検討する」というと一見よさそうだが、実は「検討の時間がただ長い」とか、「検討のスピードが遅い」とか、あるいは「検討に着手するまでの段取りに時間がかかる」とかで、実際の検討の質が高いわけではない。

そんなことに時間をかけるくらいなら、「さっさと情報収集し、決断し、実行してみて、それで違っていたらすぐ修正する」というやり方がよほど健全だし、前に進みやすい。情報収集から実行までの時間が短いので、古い情報に基づいて時期遅れのやり方をしてしまうリスクを減らすことができるし、同じ時間内でPDCAを何度か回すこともできるので、ミスにすぐ対応したり、急速に改善したりすることができる。

いったん決定したら、ぐずぐずせず行動に移すのがよい。どうしても、

・やろうと決めたのに、躊躇して何度も止まってしまう
・やろうと決めたのに、こわくなって少ししかやらなかった
・やろうと決めたのに、こわくなって途中で前に進めなくなった

などをしがちだが、これはまずい。行動直前に躊躇すれば当然、準備不足や初速不足、完成度の低さ等により失敗する可能性が高い。

決めたことに対して迷うのは、重大な疑問があるからというよりは、特に疑問はないものの、「決めて行動する」ことに慣れていないだけだ。何度かやっていれば慣れる。躊躇しても何もいいことがないと気づく。慣れの問題だけで迷い続けるのはもったいない。「決めたら行動」「決めたらまず動く」というだけのことで、習慣化してしまえば、どうっということはない。できる人はこういう切り分けが非常にうまい。

「行動する習慣」を身につけるのは、実はそれほどむずかしいことではない。ちょっとしたことだ。自転車に乗るよりも簡単かも知れない。自転車に乗るにはバランスを取るとか、足を動かしながら手でハンドルやブレーキを操作するとか、かなりの統合的なスキルが必要だが、「行動する習慣」はほとんど「決め」と「慣れ」の問題だ。腹をくくれば意外に誰でもできるようになる。

考え方としては、

・一度きちんと検討して決めたことは、あれこれ迷わず行動する
・検討して決めたことだし実行してみなければわからないから、まず実行することにする
・ここまではともかくやってみる、という目標地点を決めそこまで邁進する
・過剰に神経質にならないよう、信頼できる相談相手を2~3人確保し、気持ちが安定するまで相談する

というようなことになる。

人は誰でも前向きに考える力がある

私は、「人は皆、頭がいい」と考えている。学歴、職業等に関係ない。「何がよくて何は悪いか」「どうすればもっと多く売上げることができるか」「どうすればチームの生産性を上げることができるか」「どうすれば家族とのコミュニケーションを改善することができるか」など、いつも何か考えており、案も持っている。

「自分は頭がよくないから」といったセリフを聞くことが多いが、決してそういうことはない。そう思い込んでいるだけだ。あるいはそういう言い方をしておく方が日本語の会話として言いやすいだけだ。英語で”As I am stupid, I think~”というような言い方は決してしない。日本語独特の卑下した表現だ。

「頭が悪い」と言い聞かされ、そう思い込んでいた方は、今ここで、その考えを捨て去ってほしい。そんな馬鹿なことはない。試験勉強のしかたというほんの断片的なことで頭がいいとか悪いとかレッテルを貼っているだけだ。

大体、人類の長い歴史の中で、多くの人が高校・大学に行くようになったのは、この数十年のことだ。日本では、「試験勉強でよい点が取れるかどうか」「点数を取るテクニックがあるかどうか」によって線引きをしているが、これは人間としての価値や、頭のよさ、仕事で成功するかどうかとはほとんど関係ない。

ただ、大事なことがある。頭は皆いいが、じゃあ、うまく頭を使えているかというと、そうでもない。

第一に、もやもやしたり、感情的になったりで頭が混乱し、整理されていない人が大変多い。自分が自分をコントロールできなくなっている状況だ。頭はコンピュータと違い、気になることがあると途端に機能低下する。

第二に、自信がないばかりに、人の話を聞くのが怖くて頑なになったり、反対のための反対を唱えたりする人もいる。人の話に合意すると、自分のこれまでの努力や生き方を否定されるのではないかと、勝手に身構えてしまうようだ。こうなると、本来的な頭の良さとは関係なく、頭が動かなくなる。というか、頭を動かそうとしなくなる。

第三に、自信を持てないことは同じだが他人に向かって攻撃的になる人がいる。学歴を鼻にかけたり、人を馬鹿にし罵倒したりして、自分が優位だと確認したがる。

第四に、自信がないばかりに、自己防衛本能や思い込みで反応してしまう。自分が本当はどう考え、どう感じているかではなく、「パブロフの犬」のように条件反射的に動いてしまう。

第五に、気持ちは落ち着いているし特に自信がなくて困っているわけではないが、普段からあまりに本を読まないとか、物を考えていないために頭がすっかりさび付いている人もいる。頭をいっさい使っていないために、本来の能力を発揮できないケースだ。

こういった問題点を理解し、認め、ある程度の努力をすれば、人は誰でも本来の頭のよさを発揮することができる。

〈第3回につづく〉

 

 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◆『ゼロ秒思考』赤羽雄二のオンラインサロンを始めました。
ご入会はこちら
https://community.camp-fire.jp/projects/view/318299

まずはLINEで診断を受けてみたい方はこちら
https://lin.ee/20Kdy9L
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◆Instagramを始めました。
フォローはこちら
https://www.instagram.com/yujiakaba
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◆音声プラットフォームVoicyを始めました。
フォローはこちら
https://voicy.jp/channel/2885
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◆まぐまぐ!メルマガ「赤羽雄二の『成長を加速する人生相談』」を始めました。
メルマガ購読はこちら
https://www.mag2.com/m/0001694638
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◆赤羽雄二のLINE公式アカウントを始めました。
アカウントの追加はこちら
https://line.me/R/ti/p/@gtr8764i
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◆メールアドレス(ご感想、ご質問など、お気軽にお寄せください)
info@b-t-partners.com