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【第3回】「残業ゼロ」は女性や外国人社員を雇うヒントにも

【第3回】「残業ゼロ」は女性や外国人社員を雇うヒントにも

こちらの連載では、ホワイトカラーの残業ゼロに本気で取り組むための具体的提案をご紹介している新著『最少の時間で最大の成果を上げる最速のリーダー』の中から、残業削減や生産性の向上のための具体的なポイントを、全6回にわたってご紹介します。
第3回は、「1日24時間3分法」の考え方について。

仕事の時間を1日8時間に抑えるメリット

残業ゼロを実現すれば、仕事時間を一日の3分の1の8時間に限定できます。これは、家事や育児のある女性や外国人を多く採用し、活躍してもらうために重要な条件になります。残業の多い職場だと、保育園などの送り迎えのある母親や、日本人男性よりはるか にプライベートを重視し、育児などにも積極的に参加する外国人社員を雇うことが難しいからです。

もはや少子化が進む日本では、そのような女性社員や外国人社員を戦力として活用しないわけにはいきません。グローバル企業ではすでに女性社員や各国の社員を活躍させているのに、日本企業だけ、彼らなしに戦うことはできません。

国内市場だけで展開している企業の場合、なぜ外国人が必要なのか、という意見があります。ただ、日本人が優秀なら外国人も負けずに優秀です。優秀な人材という意味では、 来日している外国人のほうが平均的な日本人より優秀な場合もあり、人材確保が容易とも言えます。これを活かさない企業は、当然ながら活かす企業に比べて競争力が落ちるでしょう。外国人の助っ人のいないプロ野球チーム、Jリーグのチームが成立し得ないのと同じなのです。

このようにして、優秀な女性社員や外国人社員を雇い、活かしていくには、「8時間労働、残業なし」はほぼ不可欠になりつつあるのです。

私は1日を8時間ずつ3つに分ける「一日24時間3分法」が残業ゼロ時代にフィットしているのではないかと考えています。

①毎日8時間は仕事。必要な収入を得つつ、自分にできる仕事を通して自己肯定感を得る。
②毎日8時間は家族・パートナーとの時間(育児、介護などを含む)、自分の成長、趣味、 食事・料理・家事、友人・仲間との時間、人との出会い、ペットとの時間、通勤、他の雑務にあてる。
③毎日8時間は睡眠、運動、入浴など、健康維持にあてる。

残業ゼロ時代の8時間の使い方① 仕事

まず、①の毎日8時間の仕事についてですが、時間があるから、あるいは体力があるから、あるいは早く成長したいからといって仕事に十数時間あてるのではなく、8時間に抑えるほうがよいと考えています。そうしなければ、本当の意味での自己成長につながらなかったり、人間関係を傷つけたり、健康そのものを損なってしまったりするからです。
なぜ8時間以上の仕事がそれらのリスクを生むのかについては、後ほどご説明します。

また、大切なことは、どのような仕事でもよいので、自己肯定感を得られる仕事、すなわち人に感謝され、自分でも頑張ったと言えるような仕事を選ぶことです。 全員がそのような仕事に就けないのは重々承知しています。生きるためにもっとつらい仕事、人間性を完全に否定される仕事、砂をかむような仕事も多々あります。その仕事の中でできる限り、自己肯定感を得られるように意識していただければと思います。

残業ゼロ時代の8時間の使い方② 家族・パートナーとのひととき、自分の趣味や成長

②の8時間についてですが、まず、家族・パートナーとの時間(育児・介護などを含む)にあてることが必要です。家族とは、婚姻関係にある夫婦、子ども、親、またパートナー とは、事実婚の相手、彼氏・彼女(LGBTを含む)などを指します。 これまで多くの日本の男性はこの8時間をないがしろにしてきました。自分が軽視してきた点と、企業によって軽視させられていた点がありますが、この時間の使い方を早急に改善する必要があります。

その理由として、すべての人に理解しておいていただきたい「愛着障害」について少しご説明します。

愛着障害とは、家庭環境の結果生じる、後天的な障害です。生まれて 年ほど、母親から不安なくおっぱいをもらい、泣いたらおしめを替えてもらいながら育つことが人格形成上極めて大切です。ところが、母親の精神的不安定さ、うつ病、離別・死別などいろいろな事情でそのような接し方をされなかった場合に愛着障害が生じます。
その結果、「自己肯定感が低い」「自信がない」「人の顔色をいつもうかがう」「人と深い関係をつくれない」「人間不信」「アダルトチルドレン」などの精神的問題を抱え、対人面に問題を起こしやすくなります。モラハラやパワハラ、DVなどの加害者、あるいは被害者もこの傾向があります。

問題は、核家族化により問題点が隠蔽されたまま進行しやすく、また、夫から妻へのモラハラ、育児不参加や家庭での存在の希薄化などのダブルパンチによって、日本が世界で一番深刻であり、3人に1人が愛着障害であると専門家に指摘されていることです(『愛着障害』岡田尊司著)。 ここにメスを入れるには、家族・パートナーのために時間を取りやすくすることが出発点だと考えています。

これと同じく、毎日数時間を自分の成長や趣味にあてることが大切です。たとえば、経理部なら簿記1級を取ったり、税理士や公認会計士の資格を取ったりすること、エンジニアであれば新しいコンピュータ言語の勉強をしたり、イベントを企画する仕事であれば、関心のあるイベントや美術館などに行って自分の感性を磨くことなどです。 「自分の成長」に時間を取らなければ、中長期的な成長が見込めず、その日暮らしになってしまいます。そのときどきの仕事に日夜追われ、さらに上のスキルを目指すことも、中期的にキャリアアップすることもできず、 刺激がだんだん減ってくると、成長意欲そのものが下がってきます。

また、趣味の時間がとれないと、「何のために生きているのか、よくわからない」という気持ちになっていくでしょう。 読書、アウトドア、スポーツ観戦、映画、美術鑑賞、ライブ、楽器、料理、旅行、カフェ、ゲームなど、趣味は人それぞれです。何らかの趣味を持っていることが人としての魅力にもなりますし、ストレス耐性を高めてくれることにもなります。これらの息抜きや楽しみが、仕事に全力投球をさせてくれるのです。

どんな趣味でもかまいませんが、これまでの多くの日本人男性のような「無趣味」「趣味は仕事」というのだけはいただけません。 なぜなら残業に次ぐ残業で他への関心が持てなくなったり、週末には寝て体力を回復せざるを得なくなったりした結果、家族やパートナーとの関係に歪みが出てしまうことがあるからです。 ぜひ、なにか趣味を見つけてみてください。

その他、友人・仲間との時間、出会も大切です。ペットを飼っておられる方も多いと思いますが、ペットのイヌやネコなどとのふれあいも非常に効果的な癒やしになります。

残業ゼロ時代の8時間の使い方③ 睡眠、健康

③の8時間についてです。睡眠時間は短い人で毎日5~6時間、長い人で7~8時間前後ではないでしょうか。 睡眠時間に運動、入浴など、健康を維持するためにどうしても必要な時間を加えると、 最低8時間は必要だと思います。

私自身でいえば、高校・大学はアメリカンフットボール部でしたが、コマツに入社して から今までずっと週1回2時間程度のテニスだけです。これは多分健康維持には不足なの で、一刻も早く、週2回計4時間に増やしたいと考えています。健康を損なってからでは 遅いので、一日24時間3分法をきちんと取り入れようと思います。

こうして重要な順番を考えていくと、家族・パートナーや自分の成長のための8時間、 睡眠・運動など健康維持のための8時間を簡単には削れないので、仕事の8時間を10時間や12時間に延ばすのは、本当は難しいはずなのですが……。
高度経済成長期の日本人男性の多くは、仕事オンリーになって他のことに目をつぶっていたわけです。目をつぶっていたという意識もあまりなく、流れに身を任せていただけかもしれません。経営者や上司からの過大大な要求や指示をうまくかわすことは決して容易ではないのですから。 だからこそ、経営者の決断で、残業ゼロを推進すべきなのです。

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▼本書の内容を全6回にわたってご紹介します。
第1回「経営者必見!3か月で残業ゼロを実現する9つのステップ – 前編 –
第2回「経営者必見!3か月で残業ゼロを実現する9つのステップ – 後編 –
第3回「「残業ゼロ」は女性や外国人社員を雇うヒントにも
第4回「ダイナミックですばやく動けるチームとは? 残業ゼロ時代に活躍できる組織づくり
第5回「まずは部下より自分が変わる!残業ゼロで成果をあげるリーダーの仕事術

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