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【第5回】まずは部下より自分が変わる!残業ゼロで成果をあげるリーダーの仕事術

【第5回】まずは部下より自分が変わる!残業ゼロで成果をあげるリーダーの仕事術

こちらの連載では、ホワイトカラーの残業ゼロに本気で取り組むための具体的提案をご紹介している新著『最少の時間で最大の成果を上げる最速のリーダー』の中から、残業削減や生産性の向上のための具体的なポイントを、全6回にわたってご紹介します。
第5回は、残業ゼロで成果をあげる上司・リーダーの仕事術について。

残業ゼロの成否は上司・リーダーが握っている

※本文中は煩雑さを避けるため「上司」に統一し、いわゆる管理職、部課長の視点を中心に述べます。

多くの企業では、時短といいながら、仕事は減るどころか増えるいっぽうです。部下の面倒も見なければならないし、「こんな状態では、とても早く帰れない」と思っている上司が多いのではないでしょうか。しかしながら、本当は自分で仕事をつくり出していたり、早く終えることができるのに終わらせていないだけ、という部分もあるかと思います。

また、部下に指示をし、やらせる仕事についても、一つ一つを改めて見直してみると、「やらなくてもよかったかもしれ ない仕事」「30分早く終わることができた仕事」「二度手間をせずにすんだ仕事」も少なくないのでは。どちらも、上司が意識してなくそうと思えばなくせるものです。

年初の経営方針発表で「今年は、絶対に残業時間を一気に半減します」「今年は、残業ゼロを目指します」など、残業削減に本気の経営者も増えてきました。ただ、成功例がまだまだ少ないので、経営者自身も「本当にできるかな?」と戸惑っている人も多いでしょう。

こういう場合は、経営者の合意・支持を得て、各部署の上司が見本を見せるのが現実的ではないかと思います。 経営者の率先垂範、言行一致が出発点ですが、管理職が実践してできることを証明してみせることが大切です。実績を出すと、経営者は「ほら見ろ! できるじゃないか」「絶対できると思ってたんだ」と成功事例として見てくれます。すると、次月からはさらにやりやすくなり、より実績が出せるというように好循環が始まります。近年、働き方改革が日本中で注目されているので、絶好のチャンスです。

残業ゼロを実現する上司・リーダーの時短術

仕事の中にはあらゆるムダがあります。やらなくてもよい仕事も山のようにあります。 ムダではないものの、特別に急いでやっていない仕事も多くあります。

ほとんどの人は自分の仕事を1分1秒でも早く終わらせようとは思っていません。「丁寧にやろう」「きっちりやろう」と思うのは普通でしょうが、「30秒早くやろう。そのためにはどうしよう」という発想がないのだと思います。

だからこそ上司はここにメスを入れる必要があります。その方法は、次の通りです。

①経営者の残業ゼロ宣言を受けて、自部署が率先して取り組むことを宣言します。「なんでうちの部からやるんだ」「そんなの絶対無理だ」と部下から強く反対されたり、失笑されたりしますが、「全社の見本になろう」と押し切ります。

②部署の平均残業時間を翌月に半減、2ヶ月目にさらに半減、3ヶ月目は残業ゼロにす る具体的な計画を立てます。

③部下全員の仕事の棚卸しをし、やめられる仕事に関しては、宣言した初日からやめます。減らせる仕事をその日から減らす、というスピードと決断力がインパクトを生みます。やめられなくても、簡単にすることができる仕事はその日から改善します。

④一人ひとりの翌月、翌々月の退社時刻を決めます。

⑤一人ひとりに、どの仕事をやめられるか、効率化できるかをA4ページで提案してもらい、即断即決、即実行で改善します。

⑥開始 週間後、朝礼で部署全体の残業削減の実態を伝え、さらに減らせる仕事、改善 できる仕事を一人ひとり、一つずつ確認し、その場で決めていきます。このスピード感、 躍動感が部署全体に好影響を与えます。

⑦熱心に取り組む部下が必ず出てくるので、その素晴らしい成果をみんなに伝える場をつくります。「残業ゼロベストプラクティス共有会」と呼び、金曜 時半などから全員参加で実施すると効果的です。

⑧部署内のコミュニケーションが重要なので、ポジティブフィードバック、アクティブリスニングを徹底させます。

⑨残業削減活動をできるだけゲーム化し、みんなが楽しく取り組めるように、いろいろしかけていきます。アイデアコンテストをしたり、削減成果を競ったりさせます。部署の盛り上げ方次第で素晴らしい成果が出るでしょう。

即断即決、即実行の見本を見せる

上司は、即断即決、即実行の見本を次々に見せていく必要があります。即断即決、即実 行というのは躊躇せずにその場で意思決定をし、可能な限りすぐ実行に移すことを言います。

ほとんどの業務で瞬時に判断して動くことができるような場合でも、なぜか間を空けた り、のんびり考えたりする人がほとんどです。その方法だと優先順位が高くなかった仕事をやめたり、簡略 化したり、やり方を大きく変えたり、頻度を減らしたりなどによる生産性向上ができません。意思決定が遅いばかりにせっかくのチャンスを失うこともよくあるでしょう。

即断即決、即実行をできるようになるには、仕事全体を俯瞰してみる力が必要です。自 分の仕事の中でもっとも重要なものはどれか、その仕事の成功の定義は何か、どういうや り方がベストなのか、どこまでリスクを取って進めていけばいいのかを常に考え続けながら決めていきます。

次に重要な仕事に関しても同じように、本当にその仕事をやる必要があるのか、あるとしたらどういうやり方がありうるのか、今までの3分の1の時間で終わらせるにはどうするべきなのか、斜め上から見下ろす感じで、客観視していきます。

これらのプロセスの中で、迷い、ためらい、逡巡があったら、宝の山と考えましょう。 それは時間のムダがあり、迷い、ためらい、逡巡しているところにヒントがあるということです。 「自分の仕事のやり方がおかしいのか」「そもそもその仕事自体に問題があるのか」「体制に大きな問題があるのか」が次々に見えてくるでしょう。

即断即決、即実行を身につける方法は、著書『ゼロ秒思考 行動編 即断即決、即実行のトレーニング』でも詳しく解説しています。ぜひあわせて読んでみてください。

権威主義、パワハラをチームから一掃する

ダイナミックですばやく動ける組織をつくるには、権威主義、パワハラをチームから一 掃する必要があります。権威主義とは、「部長の言うことが聞けないのか」「お前はまだ新米なんだから、黙っていうことを聞いていればいいんだ」というように役職の権威を使って相手に言うことを聞かせようとする態度のことです。

上司が部下にそういう態度で接すると、自然に部下の間でも先輩が後輩に同様の態度を取るようになります。これでは会社に対する忠誠心などは生まれません。

権威主義には致命的な問題が二つあります。
何といっても、部下が萎縮し、考えなくなってしまうことです。自分の考えがあっても上司に言うなどもってのほか、という雰囲気になりますので、真実の追求もオープンなディスカッションも到底できません。このような環境に長くいた部下は他のコミュニケーションの取り方を知りませんので、上司になったときには意図せず権威主義をふりかざし、部下の意見を押さえつける行動を取ってしまい、人間的にも成長しません。

もう一つは、上司自身も成長しないという点です。理由を部下にきちんと説明できず、 立場を使って押さえつけるだけだからです。権威主義の上司は、ゼロベースで物事を 判断せず、権威に頼った考え方しかできなくなるのです。

極端にひどい権威主義の形がパワハラです。部下を怒鳴りつけ、罵倒し、人間性を否定します。日本の企業には頻繁に見られる問題で、パワハラが続く限り、残業ゼロも生産性向上、付加価値向上も夢のまた夢です。これまで生き残ってきた会社でも、男女、国籍を問わず優秀な人材は、今後、入社を避けるようになります。

経営者が権威主義、パワハラを全廃したいと本気で考え、痛みをともなうアクションにコミットしてもよいと考えるなら、方法はあります。

①権威主義、パワハラ撲滅を全社に宣言する。マスコミにも発表し、退路を断つ
②権威主義、パワハラをした者は降格させる。昇進、昇給をすべてストップする
③人事評価中、部下育成のウエイトを50%まで上げる。それを明確に伝える
④経営者が経営幹部、部課長に理不尽な要求をしてパワハラを誘発しないようにする
⑤年次目標、月次目標の合意プロセスを導入する
⑥「パワハラ撲滅プロジェクト」を発足させ、社員の声を聞く
⑦部下が萎縮しないように目標設定、合意形成、進捗フォローを丁寧に行う
⑧上司のポジティブフィードバック、アクティブリスニングスキルを強化する。それを経営者が率先する
⑨上司のコーチングスキルを強化する。社内でベストプラクティス共有などを進める
⑩経営者自身が新しいコミュニケーションスタイルを学ぶ。言行不一致がないよう、率直なフィードバックを専任チームから提供する

これらのことは新製品開発に比べて、難しいことではありません。上司として当然のことをするだけです。ただ、この当然のことが日本企業ではあまりにも軽視されてきました。 経営者、経営幹部層でも、感覚がよくわからない、ということが多いと思います。 だからできない、というほど難しいことでもなく、費用もかかりません。真剣に取り組むかどうかだけです。

ただし、部下を甘やかせると成果が出ないと思っているうちは、パワハラはなくなりません。まずは「部下を甘やかす」という考え方を正す必要があります。甘やかす、甘やかさないという問題ではなく、「何が人をやる気にさせるのか、成長させるのか、成果を出させるのか」への洞察が必要なのです。

その洞察を持ち、本気で改善をすると、残業ゼロが実現でき、生産性・付加価値が上がり、競争力が急に上がっていきます。なぜならば、意欲的に仕事に取り組む社員が増え、組織全体が優秀な人材の宝庫になるからです。

部下を育て、チームの成果をあげる

これまで長時間労働が続く企業の上司は部下に仕事の指示をし、要求をし、できていなければなじり、罵倒し、プレッシャーをかけることがほとんどでした。またパワハラはしないけれど、価値のある指導のできない上司も少なくありません。

残業ゼロを実現するには、問題のある上司スタイルを一掃する必要があるのです。上司の仕事は、与えられた部下の能力を最大限に活かして、部署としての成果を最大化しつ つ、部下が急成長するようにきめ細かくコーチングすることです。

コーチングして部下を成長させるためは、上司がどうしても持つべき「部下を成長させる5つの価値観・姿勢」があります。これに沿って行動していると部下が驚くほど成長します。

①どんな人でも、簡単な努力でかなり頭がよくなる
②どんな人でも、環境が整えばかなり育つ
③どんな人にも、いくつかの素晴らしい長所があり、認められると自信がつく
④自信を持てば、人はどんどん育つ
⑤改善が必要な成長課題は遠慮せずに伝えることで、十分改善できる

おそらく自分自身、こんな接し方をされたことがない、と思われる上司が多いでしょう。 ただ「このような接し方をされていないからできない、やりたくない」ということは理由になりません。企業を取り巻く環境が劇的に変わったのですから、上司の役割もただ号令をかけたり、罵倒したりするだけではダメな時代になりました。

上司として生き残るには、部下を最大限活かして部署としての成果を最大化しつつ、部下が急成長するようにきめ細かくコーチングする必要があります。 こういう価値観を持てないと、部下はやる気を出さず結果も出せませんし、何よりうまく育てることができません。残業ゼロなど絵に描いた餅、夢のまた夢です。

それでは、効果的な部下のコーチングとはどのようなものでしょうか? それについては、次回詳しくご紹介いたします。

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▼本書の内容を全6回にわたってご紹介します。
第1回「経営者必見!3か月で残業ゼロを実現する9つのステップ – 前編 –
第2回「経営者必見!3か月で残業ゼロを実現する9つのステップ – 後編 –
第3回「「残業ゼロ」は女性や外国人社員を雇うヒントにも
第4回「ダイナミックですばやく動けるチームとは? 残業ゼロ時代に活躍できる組織づくり
第5回「まずは部下より自分が変わる!残業ゼロで成果をあげるリーダーの仕事術

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