この連載では『3年後に結果を出すための 最速成長』の内容をベースに、いま急速に発展しているテクノロジーや、時代の変化にあわせて身につけておきたい能力について、とくに重要なものをポイント立ててご紹介します。第13回のテーマは「転職力」です。
「転職力」…生き残るため、遠慮なく転職する
経営改革を進めようにも、残念ながら、社長があまり変化を好まないケースも少なからずあります。第三者が見ると「座して死を待つ」場合でも、二世、三世の社長、あるいは サラリーマン社長などが、このままでも何とかなるだろう、何とかなってほしいと思うだ けで、積極的に経営改革を進めないということもあるわけです。こうした状況は、グロー バル企業ではあまりありませんが、日本では決して珍しくありません。
こういう場合は、社長、役員に話す努力をしても、それ以上はどうにも埒が明かないでしょう。トップの覚悟が足りず、リーダーシップとハングリー精神に問題があります。
その場合は、より良い会社を見つけてさっさと転職するしかありません。生き残りに真剣な会社で活躍すればいいことです。ところが、ある程度以上の年齢になったり、これまでの経験によっては転職も簡単なことではありません。したがって、必要に応じて転職できるための力「転職力」が必要です。
「転職力」は、自社に見切りをつけ、これからキャリアアップし、活躍できる転職先候補を見つけ、その時点でベストな会社に転職する力です。
頑張って転職してみたら、以前の会社のほうがまだましだったということもよく起きますので、十分な情報収集が必要です。将来性のある企業に転職できるようになるには、次の点が大切です。
1.自分が3年後、10年後、何をしていると一番うれしいか、どうやったらそれができるようになるかを「3年後・10年後目標設定・達成シート」に沿ってA4メモに書く。
しっくりくるまで何度も何度も書きます。これがすべての出発点になります。
2.転職先の候補を20社ほど挙げ、選定基準にしたがって10社程度に絞る。
選定基準は、①事業の競争力 ②事業の成長性 ③社長の経営者としての資質、リーダーシップ ④自分の関心の強さ ⑤自分のスキルとの整合性、の5項目として、それぞれ5段階で評価します。総合点の多い順に絞ります。
3.それらの会社の主要事業や経営方針などについて検索し、1社につき数十の記事を読む。
記事に出てくる新たな重要キーワードもまた検索をして、関連情報を吸収していきま す。大事なものは、グーグルアラートに登録します。
4. 10社の採用面接の準備をする。
そのためには、友人2人に依頼してロールプレイングを実施すると効果的です。「自分」「面接官」「オブザーバー」の3人で3分間、採用面接のロールプレイングを実施し、その後、2分間でオブザーバーからフィードバックし、「面接官」からもフィー ドバックします。
役割交代してこれを3回実施すると、面接官の気持ちもわかりますし、あがったり戸惑ったりすることがなくなります。わずか15分で素晴らしい準備ができます。
5.ロールプレイングと並行して、採用面接前には、聞かれそうな質問40~50個をA4メモのタイトルとして書く。
それをタイトルとして、それぞれ1分で次々に答えを書いていきます。質問を網羅し ていますし、時間制限の中で書きますので、大変良い準備になります。
こうすることで自分に自信を持ち、少しくらい意地悪な質問をされても、まったくへこたれずに答えられるようになります。何人もの人からこの準備をすることで、答えがスラスラと出てきて、自分でも驚いたと教えていただきました。
6.必ず、直属上司になる人とは十分面談をする。
この人と仕事をぜひしたいと思えるかどうかの確認をします。
7.5割の合格を目指す。
10社面接してもすべて通るわけではありません。相性もありますし、その日のこちらの気分、体調もあるでしょう。5割以上、通ることを目指したいところです。
8.通った数社の中から、改めて自分の関心、直属上司のリーダーシップと相性、会社の将来性、キャリアアップの可能性、次の次の転職への可能性などを吟味し、最終決定をする。
油断して1社しかなくなってしまうと、より良いほうを選ぶこともできません。オファーがゼロになることも十分考えられます。最初に思いきり候補先を広げ、常に多くの選択肢を維持しながら進めます。
次に、転職に際して、新分野にアサインされても一気にトップスピードで走る力が必要です。これは、最初が肝心だからです。最初が良ければその後が楽ですが、最初にしくじると社内でそうしたイメージで見られるようになります。
スタートダッシュするための注意点を挙げます。
1.新分野に対して、強い関心や好奇心を持てるようになる。
知らない分野に対してわくわくするか、面倒くさいと思うかは、人によって大いに違います。ただ実際は、趣味嗜好というよりも、自分の自信や自己肯定感にかなり影響されるようです。
お勧めとしては、まずは自分が強い関心を持っている分野やその周辺で、気になっている分野の関連情報をグーグルアラートなどを活用して徹底的に読みます。そうする と、そのさらに外側の新分野に関しても、自然に関心や好奇心を持てるようになりま す。
2.前任者、同僚にインタビューする。
ある日突然、まったく土地勘のない中国支社の管理課長への異動を指示されたりとい うこともよくあります。その場合、1週間程度で一気に学ぶには、次のようにするとよいと思います。
まず、前任者、同僚3、4人にすぐインタビューし、可能なら夕食に誘って詳しく話を聞きます。並行して、思いつく限りのキーワードで検索し、出てくる記事を少なく ても数十は読みます。その中で出てきた新しいキーワードも、またすぐ検索して、めぼしい記事を全部読みます。重要なキーワードはグーグルアラートに追加して、その 後も継続してフォローします。
3.普段から勉強会、講演会などに月1~2回は参加し、人脈を作っておく。
そうすれば、かなり多方面の疑問も解消できますし、判断に困る場合でも、相談した り紹介してもらったりして、何らかのヒントを得られることが多いと思います。
4.転職後、できるだけ早く、仕事上で何らかの成果を挙げる。
小さなことでもいいので、自分の自信をつけるため、また新しい職場でポジティブな印象を与えるため、ぜひ意識してやってみてください。新しい職場の人は疑心暗鬼でこちらを見ています。早めに成果を見せ、安心してもらうことで仕事をしやすくするのは十分意味のあることだと思います。 このようにして転職先でもすぐに活躍し始め、キャリアアップにつながったといえるような転職力をつけていただければと思います。
書式のダウンロード
■ 3年後・5年後・10年後目標設定・達成シート(PDF版)はこちら
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■ 今後1年間のアクションプラン(PDF版)はこちら
■ 今後1年間のアクションプラン(パワーポイント版)はこちら
A4メモのタイトル例
- 自分のキャリアプランとしては、いつ頃どういう転職をするか?
- 転職するとしたら、どういうオプションがあるか?
- 転職の準備のため、どういうことをしておくか?
- うまく転職した人は誰か、なぜうまくできたか?
- 将来のため、どういう分野に関心を持っておくとよさそうか?
※A4メモ書きは、『ゼロ秒思考』でご紹介しているシンプルな思考整理トレーニング方法です。
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▼本書の内容を全16回にわたってご紹介します。
第1回「AI(人工知能)の発展によるメリット・デメリットは?」
第2回「ロボットの進化によるメリット・デメリットは?」
第3回「自動運転の普及によるメリット・デメリットは?」
第4回「ドローンの進化によるメリット・デメリットは?」
第5回「IoTの発展によるメリット・デメリットは?」
第6回「人生設計力を身につけるには?」
第7回「成長力を身につけるには?」
第8回「思考力を身につけるには?」
第9回「スピードを身につけるには?」
第10回「グローバル行動力を身につけるには?」
第11回「リーダーシップを身につけるには?」
第12回「経営改革推進力を身につけるには?」
第13回「転職力を身につけるには?」
第14回「起業力を身につけるには?」
第15回「自己肯定感を高めるには?」
第16回「今後に向けた目標・成長へのスタンス」
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